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緊急速報(ETWS)の話

雑記

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1月17日の10時に神戸にいたらiPhone緊急地震速報の訓練通知が来て懐かしく思った話。

 

私は以前、携帯電話通信事業者でエンジニアとして働いていたのですが、その時に緊急速報絡みのこともちゃんと分かってないといけなかったので忘れる前に書きます。

 

緊急速報は地震津波が発生したときにそのエリアにいる人に対して送られるメッセージで、SMSやメールとは全く別の仕組みになります。

 

ETWSという仕組みが使われており、英語で「地震津波警報システム」を意味する「Earthquake and Tsunami Warning System」から来ています。

メールなどとは違って配信先エリアにいる人が対象に配布されます。

 

携帯でメールをやりとりする場合、携帯電話はパケット通信ができる状態(コネクションを確立)にして、パケットを対象のサーバーに投げますが、ETWSの場合はラジオと同じように一方的に基地局からメッセージが配布されます。

 

メッセージ自体は通信事業者が作ってるわけではなく、緊急速報を送る気象庁のサーバーから送られてきたものを即時基地局から配布しています。

 

また通信コネクションを確立していないので、何百万人に対して同時にメッセージを送っても通信回線がパンクすることもありません。

 

通信回線がパンクで思い出しましたが、地震が発生したときに電話が繋がりにくくなった経験はないでしょうか。

 

地震が起こるとそのエリアでツイッターでつぶやいたり情報の確認、電話などをする人が増えます。また災害が起きたエリアに住んでいる息子などに電話しようと外からもトラフィックも増えます。

そのためそのエリアだけ通常の数百倍のパケットが瞬間的に発生します。

それだけでも繋がりにくくなりそうですが、通信機器は高負荷になることによって最悪の場合壊れてしまうことがあるので通信事業者側でもトラフィックの規制をして高負荷にならないようにしているのです。

この時の規制は電話とパケット通信を別々で規制しています。

規制は携帯電話にSIMに付与された特別でユニークな番号の末尾が許可された番号であるかどうかで判断されています。

通常時はすべての番号が通信可能になっており、規制時は番号末尾が1,3,6だけ電話通信を許可するといった具合になっています。

この許可された数字が規制率であり、0〜9の数字のうち1,3,6の3つのみ許可しているということは70%規制ということがわかります。

許可された数字は数十秒周期でまんべんなく変化するので、規制時は使えたり使えなかったりするわけです。

※110,119は規制に関係なくつながります

 

壊れると使えなくのはわかると思うのですが、具体的にどうなるのかというと、末端の基地局が壊れた場合はそのエリアにいる人が最悪圏外になります。

また上位の装置が壊れると県や関西などの大規模通信障害につながります。※圏内なのにネットが遅い!電話できない!となります

 

通常時はすぐに作業員が基地局に向かい復旧作業をするのですが、地震が起きたあとなど土砂崩れや停電などで直すことができず、復旧までに一週間かかるなどということもあるのです。

 

「おれは別に一週間携帯でネットできなても大丈夫。固定回線あるし。」と思う人もいるかもしれませんが、

例えば家族が倒れた、目の前で交通事故が起きたなど発生したときに110や119の電話をするかと思いますが、圏外では電話ができず、助かる命も助からなくなるかもしれないわけです。

 

熊本地震の時にLINE株式会社が「災害なのでLINE電話を無料にします!」みたいなことを言っていましたが、あれによって意図せぬトラフィックが流れ、救助を求める緊急電話などが繋がりにくくなったことでしょう。

※本当に助けて欲しいときはLINE電話なんてしないんで

 

たしかすぐに取り消し(過ちだと気づいた)ていましたが、ニュースを見たときはいたたまれない気持ちになったのを思い出しました。